モッズコート

モッズコートとは1951年米軍に採用されたM-51パーカをモチーフにカジュアルウェアされたコートの事。極寒地帯・極寒期にM-51ジャケットの上に重ね着するため標記サイズに比べてワンサイズ大きい。
備え付けのフードと後ろ身頃の先端が尖っており魚のシッポのようにも見えることからフィッシュテールパーカとも呼ばれる。

モッズは、1960年代初めのロンドンに現れた風俗。シャープでこぎれいな印象のあるイギリスの代表的なストリートファッションで、そうした雰囲気をもつコートを言う。イギリスの代表的なデザインをベースにしながらも、くだけたディテールが特徴。

日本では80年代以降モッズの行動様式を取り入れた若者が現れ、イギリスのモッズに倣い日本のモッズもこのM-51パーカを好んで着用するようになった。
この文脈で、彼らが着用するM-51パーカを通称で呼ぶ場合はモッズパーカという名称で呼ぶことが個人・または雑誌において90年後半ごろまでは通例であった。
モッズパーカは厳密にはM-51パーカを指すが、現在はM-51の後継であるM-65パーカもイギリス・日本のモッズが着用するようになったためM-65パーカもモッズパーカと呼んで差し支えない。

ただし、97年以降、TV・映画の踊る大走査線の影響で認知度が高まりモッズだけが着るだけのものではなくなり、モッズに関心がない者も着用するようになった。
これを受けて、このM-51パーカまたはM-51パーカをモチーフとしたアウターをモッズコートと雑誌などで呼び始めるようになり今日に至る。

90年代後半までの雑誌等ではモッズカルチャーを掲載しそのファッションを紹介する場合はモッズパーカ。
後半以降、カルチャーを紹介せずに、単にその独特の形状のものを紹介する場合はモッズコート
2000年代以降もモッズカルチャーを取り上げたムック等ではモッズコートとは呼ばず、モッズパーカと呼んでいる。

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参考文献

  • 著者:モード辞典編集委員会「モード辞典」2004.7.28発行 出版:モード出版局 総1014ページ

出典: ファッション用語辞典『apparel-fashion wiki(アパレルファッション・ウィキ)』

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