甲斐絹

組織 平織綾織

品質

甲斐絹とは江戸時代、オランダから持ち込まれたカイキという織物を、甲斐の国の織工がまねてつくったところから、甲斐絹といわれる。
経糸緯糸とも細い本練りを使用し、緻密に織った平滑で光沢に富む織物のこと。標準的な甲斐絹経糸に生糸15-16デニール2本を引揃えて、メータ一間300回ほどの片撚り糸を使い、緯糸に25-27デニール2本の引き揃えか、これにメータ一間70回ぐらいの甘撚りをかけたを使う。
いずれも十分精練してセリシンを落とし、糸染めした後、経緯を同じくらいの密度でかたく織り上げる。
組織は普通平織であるが、綾織にしたものもあり、これは特に綾甲斐絹といわれる。織り上げたものは先ず湯通しを行い、うすい糊液を霧吹きし、幅出しを行い仕上げる。
甲斐絹の種類としては、経糸緯糸を異色にして玉虫効果を表わした玉虫甲斐絹捺染で模様を表わした甲斐絹甲斐絹、無地甲斐絹などがある。甲斐絹の特徴は表面が平滑ですべりがよく、さらに繕鳴りのすることである。そのため和装の裏地や近年は肩すべり、膝(ひざ)あて、袖裏などすべりの良さを必要とする用途に多く使われている。

甲斐絹.png

関連項目

織布
織物
平織
綾織

経糸
緯糸
デニール
片撚り糸

甘撚り
精練
糸染め
幅出し
捺染

経糸

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出典: ファッション用語辞典『apparel-fashion wiki(アパレルファッション・ウィキ)』

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